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Minute by Minute

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(写真はイメージ)

 

産山村の田舎道をのんびり走っていると前にオンボロのライトバンが走っています。紅葉マークをつけたその車の車内は後ろからのシルエットで運転席は帽子を被ったおじいさんと、助手席は椅子にすっぽりと隠れてしまっているけれどたまに見え隠れるする横顔でおばあさんとわかります。

車は阿蘇の原野の一本道を右に寄ったり左に寄ったりと危なっかしい運転で走り抜けてゆきます。わけもなくブレーキを踏み、路肩ギリギリを走ったりと後ろから見ていても冷や冷やします。怖いから追い抜かそうと思った瞬間あることに気づきました。

今の季節原野にはノリウツギ、ナデシコ、鬼百合、ユウスゲ、オミナエシなどが咲き乱れています。牧野には牛達がのんびりと草を食んでいます。そしておじいさんの運転する車はその花や牛の傍らで必ず路肩に寄り減速するのです。そしてそのたびに隣のおばあさんの嬉しそうな横顔が外を覗き込みます。

なるほどおじいさんはおばあさんに花や牛やこの美しい阿蘇の大自然を見せたいためにあんな運転をしていたのです。

僕は踏みかけたアクセルからそっと足を離し、前の車にプレッシャーを与えない距離まで減速しました。幸運にも僕の後ろには車は一台もいません。そして僕も一緒に阿蘇の自然を見ながら走る事にしました。

車窓から流れる景色からは色々な匂いがしてきます。たくさんの花々が緑に映え、仔牛を囲みながら原野を移動してゆく牛達が見えます。

おじいさんとおばあさんの横顔が嬉しそうに見つめ合い車はのんびりと阿蘇の原野を走ります。

豊かな大地、豊かな心、豊かな人生。

ゆらゆらと共に歩く人生。

いつまでもお幸せに。

 

蠅の王

013

 

FIKAの周囲は国定公園の原野が広がっています。原野の大部分は牧野(ぼくや)になっていて、牛たちの「放牧地」とその餌となる牧草を育てるための「採草地」に分かれています。春先は牧草の芽吹きに合わせて採草地に牛の糞を養分として撒きます。

上のセッター犬はどうやらこの牛糞の匂いが大好きなようで、時々全身に塗りたくって帰ってきます。なぜか人間がとても忙しい時に限って・・・

犬は本能的に自分の匂いを消すために他の動物の匂いを自分に付ける習性があります(猟をするとき自分の犬としての匂いが邪魔になります)。これは本能なので怒ってもしようがないし、本犬も「またやっちゃいました」って顔で帰ってくるので可愛いいものです。でも寒い日は洗うと風邪をひかせてしまうので、暖かい日にして欲しいですね。