落日の景色
先日犬を介した懐かしい友人達が訪ねてきてくれました。もう10年来の友人たちは姿かたちこそ変わっていませんがそれなりに人生を重ねて、10年前は隣にいたはずの犬達は姿を消し、新たな人生の場面をそれぞれが模索し続けていました。
10年も20年も変わらぬ人生のために。僕たちは失った時間を心に抱きつつ、将来に向かってこれからも歩き続けて行くのでしょう。
丘の上に立つ僕のまわりには、失われた愛しい犬達がシッポをはち切れんばかりに振りながら駆け巡っているのが僕には見えます。
先日犬を介した懐かしい友人達が訪ねてきてくれました。もう10年来の友人たちは姿かたちこそ変わっていませんがそれなりに人生を重ねて、10年前は隣にいたはずの犬達は姿を消し、新たな人生の場面をそれぞれが模索し続けていました。
10年も20年も変わらぬ人生のために。僕たちは失った時間を心に抱きつつ、将来に向かってこれからも歩き続けて行くのでしょう。
丘の上に立つ僕のまわりには、失われた愛しい犬達がシッポをはち切れんばかりに振りながら駆け巡っているのが僕には見えます。
我が家が初めて飼ったアイリッシュセターのロレンス。とても落ち着きがなく、年中ソワソワしてるなんとも騒々しい犬でした。
ロレンスとはいろいろなところに行きました。北は北海道の知床。南は九州熊本。結局僕らとロレンスはこの写真(ここは北海道知床のカムイワッカの滝の周辺です)の5年後にすべてをリセットして東京から九州へ。
紆余曲折を経て今はこの写真から11年を経ています。写真のロレンスは一昨年星になり、その代わりに捨て犬の二匹が我が家の家族になりました。
【犬の遺言】という名でこんな詩があります。
人間は死ぬとき
遺言を書いて、
愛する人に全てを残すという
ボクにもそういう事ができるなら
こう書くよ
可哀想なひとりぼっちの野良犬に
ボクの幸せなお家を譲ります
ボクのフードボールや豪華なボクのベットも
柔らかい枕もオモチャも
大好きな(飼い主の)膝の上も
ボクを優しく撫でてくれるその手も
優しい声も
今までボクが占領していたあの人(飼い主)の心も
あの人(飼い主)の愛も・・・
ボクに穏やかな最後を過ごさせてくれたその場所を
ボクをギュッと抱きしめてくれたそのぬくもりも
ボクが死んだら「こんなに悲しい気持ちになりたくないから、もう2度とペットとは暮らさない。」って言わないで
その代わりに、寂しくて、誰も愛してくれる人がいない犬を選んで
ボクの場所をその子にあげてちょうだい
それがボクの遺産だよ
ボクが残す愛・・・それがボク与えられる全てだから。
ロレンス、君の遺言どおりに我が家に迷い込んできた野良犬はお前のフードボールで毎日ご飯を食べてるよ。毎日山で遊び、毎日笑ってるよ。とても可愛い仔だよ。
でもロレンス。いやローリー。ホントは僕はお前に会いたいんだ。
MatittoFikaより車で15分の場所に黒川温泉があります。九州では人気の温泉郷で鄙びた雰囲気と路地裏を歩きながらの湯巡りが人気の場所です。
写真は温泉街からは少し離れた場所にある立ち寄り湯の【耕きちの湯】です。乳白色のお湯に湯の花がたくさん舞っています。湯あがりはもちろんすべすべになります。そしてこの温泉の特筆すべきはこの湯小屋です。大正風の窓や手入れの行き届いた浴室はこの辺でもちょっと珍しいクオリティです。たくさんある阿蘇くじゅうの温泉のなかでFIKAの心が動くのはこの温泉の湯小屋だけです。
ですからFIKA は親しい人が遠方から来た時は必ずここの大浴場へ連れて行きます。みな必ず満足して帰るこの温泉。皆さんもMatittoFikaへおこしの際は是非行ってみてください。そうそうここは田舎の緩い営業なので、行く前には電話で営業を確認してくださいね。
山で仕事をしていると気づく事があります。偶数と奇数というものです。
たとえば上の写真の杭を1本地面にさします。物理的に1本の杭だと安定はしません。
では2本ではどうでしょう?2本を直線上に斜めに刺して頭の部分同士を紐で括り付けてみます。すると直線と並行方向には強くなりましたが、直角方向に押すと倒れてしまいます。
では3本。3本を架空の円の円周上に均等間隔に斜めに指して頭の部分同士を括り付けます。非常に安定しました。では同じく4本を。ある程度安定はしますが3本ほどではありません。
FIKAは山での作業中にハタと気づきました。偶数と奇数にはそれぞれ性格があるのではないか?
色々考察した結果、奇数は静的で内に向かう力に強く、偶数は動的で外に向かう力に強い性質があることに気づきました。たとえば三輪車。これに乗ったことがある人はわかると思いますが、三輪車は直進性はいいですがカーブを曲がりにくい乗り物です。ではタイヤが偶数のバイクや車はどうでしょう?動いている時の回転性も安定性も明らかに奇数の三輪車より向上しています。
山で椎茸の原木を組む時の最初の取っ掛かりの組み方を奇数にしてみます。つまり3本脚で組んでみます。これはとても安定しています。何があっても倒れません。では偶数の4本にしてみます。一見強そうですが押すとグラグラと動いてしまいます。半年もしたら自然と崩れてしまうでしょう。
つまり数にはそれぞれ性質があってそれに見合った使い方をするととても効率が良いということです。東洋の思想に陰陽というものがあります。陰とは偶数です。陽は奇数です。こんな百姓仕事にも陰陽が絡んでいるのは面白いものですね。